ほうとうムスコ物語    第
 とんでもない奴ができあがったような・・・。

 それは、人の波がやってくる昼下がりの出来事。ジリジリと容赦なく照りつける太陽。

「宝当乃館」建設前の空き地に2基のテントが立ちがった。

 「おぉっ、これが本当のテントう(店頭)販売かぁ〜!」(ムスコが申しました・・・)

 しかし、何をそこで売るの?だって、売る品物なんて何にもないのに・・・。

某TV番組に出たばっかりに、放映翌日から島には大勢の人が商品購入の為に詰めかける

ばかりか、電話やFAX注文が殺到し、あっという間に在庫まで空っぽになっていたのである。

そんなこととはつゆ知らず、島には人、人、人の波。

 「え〜ぇ!なんでないの〜?せっかく来たのに。」

 「半年待ち?冗談じゃあない!」

そんな罵声が出るのも当たり前。申し訳ないほどに何もないのだから。

誰もが夢を託して、一日数便しかない船に乗って小さな島にやって来たのに、

あるのは宝当グッズのパンフレットと注文書、ペンのそれだけ。

 でもさ〜、人の欲ってすごいよね。半年待ちとわかっていても注文はしていくんだよね。

『たしか、自分はサマージャンボにかけてきたつもりだったのに、これじゃあ年末ジャンボに

なっちゃうじゃん!でも、せっかく来たんだから注文はしとかないと、手に入らないもんね。』

お陰様で、あれよあれよという間に注文書は山積みに・・・。

 その時である。フワ〜ッと一筋の風が吹いてきた。みんなが書き込んだ注文書が吹き

飛ばされそうになった。

 『あぶない!飛ばしたらいかん!夢を逃がしたら遺憾!錆びたドアはあかん!(・・・)』

(ムスコが申しました・・・)

 とっさに拾った石ころ。宝当グッズの注文書を押さえたのが運のツキ。

 「おぉっ〜!出来た〜っ!『ぶんちん高島だー!』だっ!」

と、いうことで・・・

みなさん、島に遊びに来てくださ〜い!待ってま〜す!